グラボなしのWindowsノートPCにStable Diffusionを入れて画像生成してみた

Stable Diffusionを以下の環境にインストールしてみました。もちろん無料で。

  • Windows 11
  • グラボなし
  • わかってる人向けの説明をすると、違いは起動時に引数を設定するだけ

ちなみに以下のPCで寝ながら試しました。この機種については別途書きます。

次のような人向けに書いています

  • とにかくWindows
  • PCにグラボが載っていない
    →素のStable Diffusionは、NVIDIAAMDのグラボが必要らしいが、グラボのかわりにCPUで処理を行うようにする
  • Stable Diffusionをコマンドではなく、WEBからGUIで使いたい
    →AUTOMATIC1111 の stable-diffusion-webuiを使う。
  • 設定時にシェルが~とか言われてもよくわからない
    →いつものコマンドプロンプトで設定する
  • Pythonの仮想環境とか、色々なやり方があってよくわからない
    →仮想環境は標準のvenvを使用

準備

1. インストール先の作成

どこでもいいのですが、日本語とかのトラブルを避けたいので、シンプルに以下のフォルダを作成してそこにインストール

C:\Stable Diffusion

設定後はここに、仮想環境のフォルダと、Stable Diffusionのフォルダが作られます

2. Pythonの仮想環境の作成

なぜ仮想環境が必要かというと、特定のバージョン以外では動かないから。
今回は3.10が必要だったので、上記のインストール先で、venvを使ってPython 3.10の環境を構築します。

3. Python 3.10のインストール

仮想環境で使うバージョンのPythonを普通にインストールする必要があります。現在最新の3.10.6を以下からダウンロードしてインストール(全部デフォルトでインストールしました)。 https://www.python.org/downloads/release/python-3106/

4. venvでPython3.10の仮想環境を構築

WindowsなのでPythonランチャーのpyを使って簡単にやります。先程インストールしたPython3.10を使って仮想環境を作ります。(2つ目のvenvの部分の仮想環境名はなんでもいいです)

C:\Stable Diffusion>py -3.10 -m venv venv

5. gitのインストール

githubからクローン(コピー)するためgitが必要ですので、以下からダウンロードしてインストール。
https://gitforwindows.org/
普通にインストールすればよいです

AUTOMATIC1111 の stable-diffusion-webuiのインストール

1. 仮想環境を起動する

C:\Stable Diffusion>venv\Scripts\Activate.bat

すると、以下のようにプロンプト表示されます

(venv) C:\Stable Diffusion>

念のため、バージョンを確認しておきます

(venv) C:\Stable Diffusion>python -V

以下のように表示されていればOK

Python 3.10.6

Python3.10.6の世界へようこそ。

2. AUTOMATIC1111のstable-diffusion-webuiを入手

githubから以下の通りクローン(コピー)してきます

(venv) C:\Stable Diffusion>git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui

3. 起動バッチファイルに引数を設定する

以下のファイルをエディタ等で開きます

C:\Stable Diffusion\stable-diffusion-webui\webui-user.bat

"set COMMANDLINE_ARGS="を以下のように追記

set COMMANDLINE_ARGS=--skip-torch-cuda-test --upcast-sampling --no-half-vae --use-cpu interrogate --precision full --no-half

つまり、webui-user.batの中身は次のようになります

@echo off

set PYTHON=
set GIT=
set VENV_DIR=
set COMMANDLINE_ARGS=--skip-torch-cuda-test --upcast-sampling --no-half-vae --use-cpu interrogate --precision full --no-half

call webui.bat

ファイルを上書き保存してエディタを終了

起動

以下のファイルを実行

(venv) C:\Stable Diffusion>stable-diffusion-webui\webui-user.bat

初回は色々なものがインストールされて時間が掛かるが、 しばらくして、うまくいくと以下のメッセージが出ます。最後に出るわけではないので見逃さないように。

Running on local URL:  http://127.0.0.1:7860

この表示を確認したら、ブラウザから以下のURLへ行くと、WEBからStable Diffuserが使えるようになっている。

http://127.0.0.1:7860

以上、設定から起動まででした

AUTOMATIC1111 の stable-diffusion-webuiの使い方については多数の情報が上がっているので、そちらを見てください。

注意点

  • 何GBもダウンロードするので、ネットワーク環境は早いものを選びましょう。
  • GPUに最適化されているものをCPUで動かしているので遅いです。お試し感覚で。
  • 本文、再検証していないので、誤りがあればご指摘ください

生成中は、こんな感じでした